私の家族は、遺伝性脊髄小脳変性症(DPRLA)です

ゆる日記

脊髄小脳変性症を知ってください

こんにちは、みやじです。

「脊髄小脳変性症(SCA)という病気を知っていますか?」
この病気は、私の家族の中でいくつもの命に関わる、とても身近で、でも多くの人には知られていない病気です。少し前に「1リットルの涙」の病気として知られることになりましたが、それでも難病として症例はそこまで多くないことから、一般的に知られている病気とはいえません。
ここでは、私の体験を交えながら脊髄小脳変性症の遺伝や症状、そして進行について、できるだけわかりやすくまとめます。

脊髄小脳変性症とは?

脊髄小脳変性症は、小脳や脊髄、脳幹の神経細胞が徐々に変性・脱落し神経系に影響を及ぼしていく難病です。
この病気になると、体のバランスを取る機能や、手足を正確に動かす機能、会話や発話、飲み込み、認知能力などの生きるために必要な力が徐々に失われていきます。
そして、厚生労働省の指定難病の一つで、患者数は約1万人、比較的日本人に多い病気とされています。

みんな遺伝するの?

まず、私が最初に不安に思ったのは遺伝するのかどうか。

私は両親を早くに亡くしていたため、叔父がこの病気であるとわかったときも「遺伝しない病気」「女の子は遺伝子にくい」「母親からの遺伝なら発症しない」など、自分がこれからかかわることになる脊髄小脳変性症(DPRLA)もつ性質とは全く異なる、不確実な情報を信じていました。
脊髄小脳変性症にはいくつかのタイプがあり、当然その型によっても遺伝の仕方は異なる上、遺伝性と非遺伝性(孤発性)もそれぞれあるため、病名だけで決めつけるのは危険です。

兄が遺伝性の脊髄小脳変性症であると確信したのは発症したとき、改めてこの病気について調べたから。もちろん、遺伝子検査をしなければ確定ではありませんが、調べたときに私にもこの病気の可能性があると知って、非常に言葉にしづらい感情を持ちました。

脊髄小脳変性症(DPRLA)は常染色体優性遺伝という遺伝形式を持ち、両親のどちらかが病気の原因となる遺伝子を持っていると、子どもに50%の確率で遺伝します。それも一人に対して50%の確率になるため、全員遺伝子を持っている可能性も、持っていない可能性もあります。
遺伝子を持っていなければ、以降は遺伝子が引き継がれることはありません。
まれに親が症状がないという方もいますが、この病気は遺伝子を持っていれば100%発症します。ただ、発症時期や症状の出方は個人によって大きく異なるため、発症前に亡くなってしまったり、発症しているにも関わらず、症状がゆるやかであるため気付いておらず、まるで隔世遺伝のように子どもに受け継がれるように見えることがあります。

DPRLAの特徴

私の家族がもつDRPLA(Dentatorubral-pallidoluysian atrophy)というタイプは、日本に多くみられ、叔父も兄も遺伝子検査の結果診断されています。
DRPLAには他の型とことなる特徴もあり、親から子に受け継がれる際に、発症年齢が早くなり、症状が重くなる「遺伝子の伸長現象」が知られています。
親が40代で発症した場合、子どもは30代、20代と発症年齢が若くなり、かつ症状が重く出るのです。

私には子どもが3人います。
もし、私にこの遺伝子があれば子ども3人も当然遺伝している可能性もあり、かつ若くして発症することになるでしょう。まだ、私は遺伝子検査を受けられていません。しかし、遺伝性の病気だからこそ、家族にとっては深い葛藤と不安がつきまとい、日々悩んでいます。

どんな症状が現れるの?

脊髄小脳変性症の症状は、病型や個人差によって異なりますが、共通するのは小脳性運動失調です。

主な症状として:

  • 歩行のふらつき(酔っぱらったように見える歩き方)
  • 手の震えや細かい動作の不器用さ
  • ろれつが回らない
  • 飲み込みにくさ(嚥下障害)
  • 眼球の動きの異常(眼振)
  • 認知機能の低下
  • 不随意運動(意図せず体が動く)

があります。

私の兄は30代後半で発症したと思われます。発症当初は「片足ひきづって歩いているのはなんでだろう」「簡単な漢字が思い出せない上に書けなくなったのはどうしたんだろう」「電話で言葉が聞き取りづらくなったな」となんとなく違和感を感じていました。
しかし徐々にバランスが取れなくなったようで、職場で転倒。頭から転んだことで病院へ行くことになり、そこで専門の病院を紹介してもらい検査を実施しました。

症状の進行は緩やかに見えることもありますが、急に変化することもあります。
「昨日までできていたことが、今日はできない。そして、できなくなったらもうできるようにならない…」
これがこの病気の怖さだと、家族として感じています。

進行について

脊髄小脳変性症は進行性の病気です。
一度失った機能は基本的に戻りません。
進行スピードには個人差が大きく、数年で歩けなくなる人もいれば、十年以上ゆっくり進行する人もいます。

そして発作(てんかん)を伴う場合もあり、兄も重責発作を経験しました。
これは命に関わる重大な状態であり、回復にも大きな時間と体力が必要になります。
さらに、発作は脳に直接ダメージを与えるため、病気の進行を早めることがあります。

「進行性で治らない」
この言葉は重くのしかかり、家族として「今できること」を支え、「今残っている機能」を少しでも長く使えるようにと日々考えています。

最後に

脊髄小脳変性症という病気は、まだわからない部分も多く、薬も治療法もありません。
患者本人だけでなく、家族も「見えない負担」を抱え続ける病気です。

もし、この記事を読んで自分の家族や自分の症状に心当たりがある方がいたら、
ぜひ医療機関や専門の相談窓口に相談してみてください。
治療はできないとしても、早くリハビリをはじめることで、症状の進行を緩やかにすることもできます。

この記事が同じ病気を抱える方のお役に少しでも立てれば幸いです。

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